アウトドア製品に多く用いられているゴアテックス素材。
- スキーウェア
- スノーボードウェア
- レインウェア
- 登山ウェア
- ダウンジャケット
など・・・様々な製品に用いられていますよね。
ゴアテックスには、優れた「防水性」と「透湿性」を備えるかつ、両立をしており、
一般的な製品と比べると高価な製品となっています。
そのようなゴアテックスですが、「汚れ」や「汗」などで製品が汚れてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?
- 自宅で洗濯できるの?
- クリーニングに出せるの?
と疑問に思っている方も多いはず。
今回は、
ゴアテックス素材製品の自宅で出来る正しい洗濯方法からその後の撥水加工。
そして、洗濯頻度についても紹介していきます!
ゴアテックスとは?
まずゴアテックスの洗濯方法の紹介の前に、ゴアテックスについて紹介します。
ゴアテックス(GORE-TEX)とは、素材の名称の事です。
アメリカの「WLゴア&アソシエイツ社」が製造販売する防水透湿性素材の商標名のことを言います。
ゴアテックスの特徴
ゴアテックスの特徴は、
- 防水性能
- 透湿性能
- 防風性能
という、3つの大きな主性能が特徴的です。これらについて簡単にまとめていきます!
ゴアテックス特徴その①防水性能
まず最初に紹介するのは、「防水性能」です。雨や水の浸入を防いでくれます。
耐水圧45,000mmものスペックがあり、一般的な傘で耐水圧は250mm程度です。
また、体重75kgの人が座ったときの圧力が約2,000mm、膝を付けているときの圧力が約11,000mmと言われているようですので、雨に濡れた場所や雪の上に座ったり、膝を付いても十分に耐えうる防水性能を有しています。
ゴアテックス特徴その②透湿性能
続いて透湿性能についてです。
例えば運動をすると汗や熱気が体内から放出されると思います。透湿性とは衣服内側の水滴にならない蒸気状態の汗を生地が外に出す度合いの事を言います。
その透湿性の性能を数値で表現する為に、24時間に何グラムの水分を外に出すのか?を数値で表しています。
JIS B-1法と言う計測方式で、最大で25,000g以上という数値を持っています。
軽いジョギングなどで、500g/1h・・・12,000g/24hと言われていますので、十分な透湿性能を有しており、着て運動したり汗をかいても蒸れないのが特徴的です。
ゴアテックス特徴その③防風性能
続いて防風性能です。
その名の通り、風を防ぐ性能にも優れています。防風性能を具体的に数値で表すのは難しいですが、全く通さない訳ではありません。
上記で述べたように、水蒸気は通します。透湿であり防風と言うと矛盾しているように聞こえると思いますが、
風というのは空気の固まりが強く当たることで感じます。
ゴアテックスに当たると、風の固まりが分散され、勢いが弱まりますので、体感として風として認識しなくなります。
ゴアテックスを洗濯しないとどうなる?
製品を使用していると
- 泥
- 汗
- 皮脂汚れ
など、目に見えていなくても付着していきます。
綺麗だから問題ない!と思っていても・・・
それらを付着したまま放置しておくと、
生地が劣化していき、しまいには、縫い目の防水処理をしている「シームテープ」が剥がれてしまいます。
そのような状態になると、劣化はかなり進行してしまっています。
シームテープを再度接着しようとしても、すぐに剥がれてしまい、
防水性能が損なわれてしまいます。
せっかく購入したゴアテックス製品ですが、本来の機能がなくなってしまいます。
さらには、洗濯をせずにずっとそのままにしておくと、汚れが表面にたまり、生地の撥水性が低下します。
撥水性が低下すると、表生地のナイロンに水が染みて膜を作ってしまいます。
こうなると、ゴアテックスの優れた透湿性が損なわれています。
内部の汗などの蒸気が抜ける孔が塞がれてしまい、内側で結露を起こしてムレてしまいます。
本来は優れた透湿性により、快適なゴアテックス製品ですが、元々の機能が損なわれてしまいます。
そうならない為にも、
きちんとお手入れをしてあげて、せっかくの高価なゴアテックス製品ですから、長く愛用したいものです。
ゴアテックスにメンテナンスは必要!公式サイトでもPR!
より長くご愛用いただくために
GORE-TEX® アウターウェアが備える高機能は、GORE-TEX® メンブレン自体に損傷がない限り低下することはありません。しかし、ウェアとして長くご愛用いただくためには、日頃のメンテナンス&ケアが大切です。ウェアの寿命は一概に何年とはいえませんが、ていねいなケアをすれば相当に長期間にわたって着用することができます。GORE-TEX® アウターウェアのメンテナンス&ケアは特別にむずかしいことではありませんので、ぜひ実践してください
定期的な洗たくで、ウェアを長くご愛用ください
ほとんどのGORE-TEX® アウターウェアは、洗えます。洗たくによって機能が低下することは一切ありませんので、汚れたら洗ってください。
また、洗たくは、ウェアの撥水性の維持や回復にも役立ちますので、汚れが目に見えなくても定期的に洗ってください。引用:WLゴア&アソシエイツ社
上記は、ゴアテックス社の公式HPに記載してある文章を引用したものです。
ゴアテックス社公式において、メンブレンと言われるゴアテックスの本体部分が損傷がない限り、機能は低下しないと言ってはいますが、
丁寧なケアと定期的に汚れが目に見えなくても洗濯をして下さい。と謳ってあります。
汚れたら洗うのはもちろんですが、「汚れが目に見えなくても洗って下さい。」という点に注目です!
ただし、「使用する度に洗って下さい。」とは記載されておりませんので、あくまでも定期的な洗濯が必要だということです。
しかし、定期的ってどれくらい?
と、疑問に思う点だと思いますので、こちらについても後ほど記載しています!
ゴアテックス社からも、ゴアテックスは洗濯できると公言していますが、闇雲に洗濯するのでは生地が痛み機能の低下に繋がりますので、しっかりとポイントを押させた洗濯方法が必要です!
ゴアテックスの自宅で出来る洗濯方法!
ゴアテックスは色々な製品に用いられていますが、今回は、
- スキーウェア
- スノーボードウェア
- レインウェア
- 登山ウェア
などのゴアテックスが用いられているウェアを例にして洗濯方法を紹介していきます!
洗濯表示を確認
ゴアテックス製品のウェア自宅で洗濯できますので、まずは洗濯絵表示タグを確認ましょう!
- 洗濯機で洗えるのか
- 手洗いのみであるのか?
をしっかりと確認します。
そして、乾燥機が使用できるかどうかもチェックしておきましょう!
ファスナーやポケットを全て閉じる
洗濯機で洗う前の準備として、ウェアに付いてあるファスナーは全て閉じておきます。
これは、洗濯機で洗濯中にファスナーの損傷や、ファスナーのギザギザとウェア表面のスレによる損傷を防ぐ為です。
また、首回りなどの中に収納されているフードなどは、汚れの落ちムラがおこらないよう取り出して全て広げておきます。
もし、コード類がついている場合にはすべて緩めておきます。
洗濯ネットに入れる
洗濯機でゴアテックス製品のウェアを洗濯する場合には、
- 製品の絡まり
- ファスナーの破損
- ウェア表面のスレ・摩耗
を防ぐ為に、必ず洗濯ネットに入れて洗濯しましょう!
洗濯ネット入れる際には、ネットに入る大きさにたたみ、ネットに入れます。
ゴアテックスの洗濯には液体洗剤がおすすめ!
ゴアテックス製品を洗濯する場合には、液体を選ぶのがおすすめです!
石けんタイプの洗剤でゴアテックス素材を洗濯すると化学反応が起こり、
新しい汚れ?を作り出してしまう可能性があります。
せっかく洗ったウェアが汚れてしまわないためにも、液体の洗剤を使用しましょう。
注意点としてですが、柔軟剤や漂白剤、染み抜き剤などは使用しないようにしましょう!
洗濯機でぬるま湯で洗濯
洗濯機に液体の中性洗剤を入れ、「洗濯表示ラベル」に記載されているお湯の温度を選択し、弱流に設定して洗濯します。
ぬるま湯(40℃以下)で洗濯することれ、水で洗濯するのと比較し、格段と汚れが落ちやすくなりますので、
可能な限りぬるま湯で洗濯しましょう!
また、ゴアテックス素材に洗剤や汚れが残ってしまうと、撥水性が低下してしまいます。
その為、すすぎは特に念入りに、普段の一般的な洗濯の2倍の長さがですすぎを行い、しっかりと洗剤と汚れをおとしましょう!
続いて脱水ですが、水を通さないゴアテックス素材である為、脱水はほとんど必要ありません!
脱水をかけるとしても、ほんの数分で十分です!
自然乾燥させる!
軽く水を切って、風通しの良い場所で陰干しをして乾燥させます。
強く絞ったりせず、水分を軽く切ってから吊り干しします。
紫外線に当てると生地を劣化させる原因になる為、風通しの良い日陰に干すことをおすすめします!
じっくりと時間をかけて細部まで完全に乾かすのがポイントです。
洗濯後のメンテナンスで撥水機能復活
ここからは、ゴアテックス製品を洗濯した後の後加工のメンテナンスの紹介です!
新品状態のゴアテックス製品では撥水性能を持っていますが、
使用しているうちに少しずつ・・・撥水効果が弱まってしまいます。
しかし、きちんとメンテナンスをしていれば撥水機能を回復させることが可能です!
そして、長くゴアテックス製品を使い続けられますので、公式HPでも記載してあるように、
定期的にメンテナンスをするのがおすすめです。
アイロンで熱をかける
ゴアテックスは熱をかけ、温めることによって撥水性能が回復します。
ここでは、熱をかけて撥水機能を回復させる方法を紹介します!
まず、洗濯をして乾いたゴアテックス製品に、あて布をして中温でアイロンをかけます。
もしくは、乾燥機を使用して熱処理をするのもおすすめで、温風で20分程度、乾燥機にかけます。
こういった公式にもPRされているように熱処理を加えることで、撥水効果の回復が見込めます!
撥水スプレー(防水スプレー)でコーティング
長く愛用していたり、製品が思った以上に劣化していたりなど・・・
洗濯や加温による熱加工をしても撥水性能の回復が感じられない場合には、撥水スプレー・防水スプレーを使用するのをおすすめします!
撥水機能が低下していなくても、汚れ防止の観点からも撥水スプレー・防水スプレーによるコーティングをおすすめします!
撥水・防水スプレーは洗濯した製品に薄く吹きかけ、乾燥したらまた吹きかける。
というのを4~5回ほど繰り返すことで撥水効果を十分に持たせることが可能になります。
ちなみに、かけすぎてシミになってしまった場合には、アイロンで熱を加えるとシミを薄くすることが出来ます!
ゴアテックス製品を洗濯する頻度は?
ゴアテックス製品を長く愛用し、その機能を最高の状態で保つ為には、
- 定期的な洗濯
- 定期的な撥水性の回復
が必要になります。
これまでに紹介したゴアテックス製品の「洗濯方法」「撥水機能復活」を行えば問題ありません。
しかし、「定期的」とは、一体どれくらいの頻度・タイミングなのか?
疑問に思われていますので、紹介していきます!
WLゴア&アソシエイツ社にも具体的なゴアテックス洗濯頻度の説明はない!
定期的な洗たくで、ウェアを長くご愛用ください
ほとんどのGORE-TEX® アウターウェアは、洗えます。洗たくによって機能が低下することは一切ありませんので、汚れたら洗ってください。
また、洗たくは、ウェアの撥水性の維持や回復にも役立ちますので、汚れが目に見えなくても定期的に洗ってください。
ゴアテックスの公式ホームページにも、
- 汚れたら洗って下さい
- 汚れが目に見えなくても定期的に洗って下さい
と記載されており、汚れた場合は分かりますが、定期的という言葉がありますが具体的な頻度やタイミングの説明はありません。
ゴアテックスの洗濯の定期的とは?
- 1シーズンに一回
- 一か月に一回
- 使用する度に洗う
などなど、「定期的に」という言葉を受けて感じ方は人それぞれだと思います。
その為、私がこれからおすすめするゴアテックスの洗濯頻度・タイミングを参考にしてみて下さい!
おすすめのゴアテックスの洗濯頻度・タイミング
- 登山などで長時間着用したとき
- 汗をたくさんかき、ムレたとき
- 泥などが着いて汚れたとき
- キャンプ等で油が付いてしまった時
- 撥水性が落ちたと感じたとき
ちょっとの時間着用しただけで、汚れが付いたり汗をかいてムレたりしていなければ洗濯する必要はありません。
上記で、述べたような状況になった場合は、それが洗濯のタイミングです!
「定期的に洗濯」とは、毎回洗うということでは決してなく、登山などでハードに使用した時やしっかりと汗や汚れが付いたときに、洗濯すれば良いと思っていて下さい。
防寒着として着用し、汚れや汗をかいていないのであれば、撥水機能が低下したと感じた時が一つの目安のタイミングです!
ゴアテックスの洗濯におすすめの洗剤!
ゴアテックスには、優れた「防水機能」と、汗を外に逃がす「透湿性機能」を持っています。
例えば一般的な洗濯で使用する普通洗剤でゴアテックスをお手入れすると、
汗や水蒸気を外に逃がすための穴が塞がる可能性がありますので、普通洗剤での洗濯、お手入れはおすすめしません!
その為ここでは、ゴアテックスの洗濯に適したおすすめの洗剤を紹介していきます!
ゴアテックスにおすすめ! ニクワックス TECH WASH
ここで紹介するニクワックスを使えば、ゴアテックスの防水浸透性素材の機能を失わせることなく洗濯できます。
さらに、撥水効果をよみがえらせることもできます!
ニクワックスには、撥水ポリマーTX.10iが使われており、これが繊維の1本1本にまで浸透することで、通気性と耐久性を失わせることなく高い防水・撥水効果を維持してくれます!
まとめ
今回は、
ゴアテックス素材製品の自宅で出来る正しい洗濯方法からその後の撥水加工。
そして、洗濯頻度についても紹介しました。
ゴアテックスという優れた「防水機能」、「透湿性」を持った素材で、洗濯は難しそう。。。自宅では出来ないと思われている人も多かったのではないかと思いますが、
実は、正しい洗濯手順と洗濯方法。洗濯洗剤を選べば全く難しいことはありません!
本記事を参考にしていただき、ゴアテックス製品を長く愛用していただける手助けになっていただければ幸いです。
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